FALCONソロアルバム「Walking by Myself」の制作秘話シリーズ。今回は2曲目の「CANDY BLUES」について。
皆さんもそうだと思いますが、この曲は一聴してオマージュだなと。
オマージュ – 芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受け、似た作品を創作すること、またその創作物を指す語である。
wikipedia
コード進行もキメのギターフレーズも、Stray Catsの『Stray Cat Strut』ですもんね。ただそれだけに留まらず、しっかりと渋い歌謡のメロディがついてるのがこの曲の魅力ですね。歌謡といっても再現の難しいブルーノートが多用されているので、カバーされる方は要注意です。
ただ、今までのFALCONさんの作品ではStray Cats感をあんまり感じなかったんすよね。「なんでかな?」と思ってたらインタビューで判明しました。芸名のルーツや、使用してるギターなんかに色濃く影響が出てたんですね~
さて、弾き語りデモを聴いた時、まんまStray Catsにするのは最終手段とし、別の方向性を模索しました。先述の通り、ブルージーな歌謡メロディが魅力的な曲なので、「歌謡路線はどうだろう?」と。
最初に参考にしたのはこの曲です。
青江三奈の『伊勢佐木町ブルース』。この曲かっこいいですよね~。空気感が最高です。いったんこれを参考にラフアレンジをしたのですが、あまりにもムーディ過ぎてロック感が無くなっちゃったんですね。ロカビリーにするのは最終手段。まだ諦めたくない。。そう、こんな時はCo-Producerのアサコさんに相談です。
ああ、ブラス入れるのね。
確かに良いと思うけど、Brian Setzer Orchestraバージョンの『Stray Cat Strut』になっちゃうよなぁ。。。
半信半疑でとりあえずブラスを仮で入れてみると悪くない。そして、伊勢佐木町アレンジで入れてたストリングスが良い味を出してきた。
「これはフランク・シナトラ (Frank Sinatra) で行こう!」やたらゴージャスな予算たっぷりフルオケサウンド。これと言って参考にした曲は無いんですが、『夜のストレンジャー(Strangers In The Night)』や『Fly Me to the Moon』あたりの音量・音圧のダイナミクスは意識したかもです。
なので、アレンジとしては結果的にBrian Setzer Orchestraとフランク・シナトラ、そして青江三奈の組み合わせになりました。笑
最後にこの曲で特筆すべき点はBPM(曲のテンポ)でしょうね。一定じゃ無いんです。119-125まで行ってますね。これはFALCONさんの弾き語りデモを再現したテンポなんです。人間ならではのタメや走りが本当良い味出してますよね。もちろんテンポが一定の方がかっこいい曲もありますが、この曲の人間味溢れる出来はとっても気に入っております。
緊張感のあるリフでテンポアップ、後半は、盛り上がるに連れてテンポアップ。クラシックの指揮者気分になりますね。自分の音楽活動にも活かしていきたいと思います♪
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